メディア掲載

雑誌等、メディアに取り上げられた情報をお知らせします。

NPO木の建築45に私がパネリストをした第5回研究集会 熊本地震にみる木造住宅の被害ー私は見た そして 私は云いたいーの要約が掲載されました

木の建築45

14ページにわたり研究集会が採録されています。

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私のパネラーとしての発表部分は1ページ強です。

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掲載量は発表内容の4分の1ぐらいです。

日経BP社の『なぜ新耐震住宅は倒れたか』に掲載されました。過去の日経ホームビルダーの記事や熊本地震に関連した日経ホームビルダーの記事を抜粋して1冊の本にしたものです。私も3分の1ぐらいの部分に関与しています。新耐震住宅に絡んで、上下緊結金物の耐震診断調査時の写真とか、危ない筋交い特集や危ない軸組特集も掲載されています。

なぜ新耐震住宅は倒れたのか 日経BP社

熊本地震により注目を浴びたこと。 ①最新の2000年基準住宅は倒れなかったのか? ②初めて前震で倒壊して、死者をだした、ツーバイフォー工法住宅の倒壊原因は設計違反か?施工不良か?。 過去5軒、ツーバイフォー工法住宅の耐震診断をした経験から、施工不良で倒壊が起こると思っていました。 近接増築物件なので施工出来ないところもありますが、その他の施工は、金物の釘が亜鉛ドブ漬けメッキのZN釘が塗装だけのCN釘(鉄量は同じ)だけで、耐力面材に打った釘と釘間隔はOKでした。 評点2.0以上あるはずの建物が、半分以下になるほどの原因とは思えません。 設計違反による大幅な壁量不足があったのではと推測しています。 ③阪神大震災の時に顕在化しなかった新耐震住宅の倒壊率が9.1%でした。耐震診断では、上下緊結金物がついていないと、壁を強くしても、それほど耐力は上がりません。 新耐震住宅でもZ金物がついてないものはたくさんあります。耐震診断法の正しさが証明されたのでは、と思っています。

日経ホームビルダー2013年10月号に掲載されました。危ない軸組『3階建て住宅の柱頭に金物がない』です。p60~p63です。この記事は次号がでればWEBで購入できます。 構造計算する木造3階建ては仕様規定で守られている一般の2階建てより構造性能が低い場合があります。義務づけられていない構造計算にお金を使えば、2階建てでも構造性能を落とすことができます。計算している人が木造に構造的感性を持っているかが重要です。

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木造3階建ての耐震診断調査では3階天井裏で上下緊結金物がないのに遭遇します。
木造3階建て構造計算ソフト『KIZUKURI』で最低の条件にすると最上階の柱頭に金物がいらなくなると聞いています。
とてもいいとは思えないが、天下の『KIZUKURI』がいいと言っていることに反旗を翻すのはいかがなものかと悩んでいました。
能登半島地震で、輪島市門前のこの被災例を見たときに、『KIZUKURI』は間違っていると確信しました。
下屋で、最上階ではありませんが、押さえ効果が同じような場所で筋かいに突き上げられて、柱のホゾが柱頭で抜けていました。
今回、2000年に建てた木造3階建ての耐震診断調査をしました。
3階天井裏では、筋かい上端部が取りつく柱頭には上下緊結金物はありませんでした。外周部は外壁に覆われて確認できませんが、柱頭部金物なしで評価しました。
2階天井裏にも上下緊結金物はありませんでした。こう書いていると、3階建ての調査をしてる人からは3階建ては梁直下に天井下地が来て、もともと何も見えないと言われそうですが、なぜかこの建物は、2階建て以上に天井裏が見えます。
1階天井裏で、ホールダウン金物を発見しました。ただし1階金物図でなく、2階金物図に書いてある下側です。各階柱頭に金物がないの?と思っていたら、図面に『すべての柱下VP補強』と手書きで書いてありました。
柱頭に上下緊結金物を付けることを考えていない構造設計だったのです。
この現象は、現在廃版になったいるにも関わらず使用されている『青本』と『新グレー本』のダブルスタンダードのせいです。現在の新築でも起こる可能性があります。詳しくは記事本文で。

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輪島の現象を安定的に再現できる振動模型を作りました。変形して平行四辺形になると柱のホゾ抜けや筋かいの分離が起こるのが見えます。

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『KIZUKURI』の画面で青本(柱脚に金物と書いてある。柱頭についてはなにも書いていない)も選択できる

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輪島市門前の被害例です。筋かいに突き上げられてホゾが柱頭で抜けています。

わたしが尊敬する木造にも価値観を持っている構造設計家は構造計算ソフトがどう出力してきても『すべての接合部に金物』と書くのが構造技術者なのだと言います。
木造の構造計算は『木造なんてさ』と木造を馬鹿にした人が入り込んでいます。RC・S造では普通にできても、木造を勉強しない人です。
また、構造的感性を磨く余裕のない構造計算ソフトの入力オペレーターが、超低価格で内職しています。
分厚い構造計算者に惑わされず、理解して入力しているのか判断する必要があります。
耐震診断では、3階建てだから構造計算しているはず、接合部Ⅰと評価する診断者がいます。
ホールダウン金物を見て、短絡的に接合部Ⅰにする診断者がいます。
私みたいに調査して柱頭に金物がないことを確認した後に、どう評価するかも新な検討課題になります。
筋かい端部金物がありました。これを引き抜き対策金物の代用にならないかと模索する実務者は接合部Ⅱを選びそうです。
これに対する、工学院大学教授の河合直人先生の評価は記事本文に書いてあります。

日経ホームビルダー2013年9月号に掲載されました。危ない軸組『下屋の補強で母屋がつぶれる』です。p71~p75です。この記事はWEBで購入できます。

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農家建築の耐震診断をしました。
2階部分の1階柱が長く、下屋の柱と高さが異なります。この部分の柱は通柱形式になります。3方引き通柱に3本目の羽子板ボルトを付ける大工は20%ぐらいです。
農家建築では、通柱形式がたくさんあります。この部分の接合がいい加減であったら、下屋周りを耐震補強したときにどうなるのであろうと思い、問題提起をしました。
膨大な下屋のある建物を想定していたのですが、中川貴文先生のモデルは耐震補強した建物と耐震補強しない建物を振動台に乗せて実験した、耐震補強した建物の一部改編でした。シュミレーションは下屋壁補強・下屋取付点補強・下屋水平構面補強したものから、そのまま・下屋取付点を補強していないもの・下屋水平構面が補強していないもの・お母屋の壁を補強したものです。
結果は記事に書いてあります。

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横ホゾなのに羽子板ボルトはおろか、カスガイも釘もありません。

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耐震診断の調査で見る通柱の3方差し胴差しは下屋方向に羽子板ボルトがないのが80%ぐらいです。この現場もありませんでした。

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構造的に大丈夫というには5か所を改善しなければなりません。母屋の梁取付点。母屋の下屋取付が束構造上下。胴差し材の梁取付点に羽子板金物なし。中央胴差しはあるだけ母屋と下屋を構造的に繋いでいない。中央胴差しは先の母屋(胴差しにすべき)に繋がっていない。

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松丸太は柱に対して横ざしだがカスガイしかつかっていない。

実際結果を見ると、振動実験で使われた補強試験体は倒壊すれすれだったのだと気付かされます。
日経ホームビルダーのシュミレーション記事からは表の主題以外に、建築基準法の地震波のダメージのなさとか、JR高取波の強さとか、深読みすればいくらでも情報を汲み出せます。

日経ホームビルダー2013年7月号に掲載されました。危ない軸組『母屋と増築部は地震でぶつかる?』です。p83~p85です。この記事はWEBで購入できます。

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東日本大震災後4日間、木造建築の被災例を探して歩き、1軒だけあった倒壊と、過去の被災地での経験からこの木造住宅は単純な強度不足だけではないのではと思いました。増築部と衝突して押し出されたのではないかと思いました。
これから発展して、全体評点1.0 母屋評点1.50 増築評点0.48の接合軸組共有で接合強度弱のA1と接合強度強のA2。
A1とほとんど同じ評点で、繋いではいるが母屋と増築部が独立した構造のB。
全体評点が0.71 母屋評点0.38 増築部評点1.02の接合強度弱のC1と接合強度強のC2。
以上の5パターンを、木造住宅が地震で倒壊する様子をシュミレーションできるソフト『ウオールスタット』で国総研の中川貴文先生(3月まで建築研究所・ソフトの開発者・フリーソフトで建築研究所のホームページからダウンロードできます)が入力してくださいました。
いずれも、耐震補強設計をするときに有用な知見です。結果は記事に書いてあります。記事の中にWEBで動画を見るための検索情報も載っています。

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東日本大震災後4日間、木造建築の被災例を探して歩き、1軒だけあった倒壊

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